【発行者:アルマ・マータ・クワイア(作成担当:吉里)】
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アルマ団員の皆様 アルマ通信第145号をお送りします。
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A.連絡事項
1.アルマ練習について
1-1.6月1日(水)練習について 18:50~20:50/中央電気倶楽部
上床指揮者「ソネット集・第二」を練習します。
1-2.5月28日(土)13:00~14:00/Zoom練習勉強会
★Zoom入室URLは次の通り
https://us02web.zoom.us/j/86284917769?pwd=V3ZuNHdrMGVvcU9UbEJMaVlTMCsyZz09
ミーティングID: 862 8491 7769
パスコード: 686677
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2.「Missa in a」「ソネット集・第二」曲目解説をお届けします
アルマ通信145号から147号に渡り、第59回定演プログラムに掲載する各演奏曲の曲目解説を掲載して参ります。
今号では、昨日(5/25)練習した「Missa in a」及び次週練習する「ソネット集・第二」の解説をお届けします。
【Antonio Lotti「Missa in a」をめぐって】(T1林 茂紀)
アントニオ・ロッティと聞いて「あゝあの作曲家か、あの曲を聴いたことがある」という方は極めて少ないのではないだろうか。
生年も近年の研究で1667年と確定された(~1740)イタリアの作曲家で、主にヴェネツィアのサン・マルコ寺院でオルガン奏者としても活動し、晩年楽長も務めた。
その作曲はミサ曲・カンタータなどの宗教曲、多くのモテット・マドリガル他の合唱曲やオペラ、器楽曲と多岐にわたり、その様式はバロックから古典音楽への橋渡しをするものとの評価がなされている。かのバッハが彼の「叡智のミサ曲」を写譜(ヘンデルも)し、演奏したとも伝わる。
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今回アルマが演奏する「Missa in a」は3声部で書かれたア・カペラ(無伴奏)のミサ曲である。
パレストリーナなどに代表されるルネサンス・ポリフォ二ーやグレゴリオ聖歌も取り入れた様式で作曲されている。
各声部が音楽として自立して歌われ、パート間で旋律の受け渡しをしたり、同時に歌ったりという構成で、そのどこを縦に切っても和声が見事に成立し、時に一瞬の間に展開する。
松井さんの指揮で、アルマは西洋音楽の源流につながる魅力をこの曲でも学び味わい、体現できるようにと練習を重ねてきた。
(その過程で、その源流は他ステージで歌う現代の作品にも流れ込み、生き、展開されていると実感することが、よくあった。)
この曲でミサ曲としてのラテン語テキストは、後世の作品のように何度も繰り返されたり、壮大なスケールで展開されたりすることなく実にコンパクトに歌われる。
それだけに語るように次々と展開されていくテキストの意味を、我々一人ひとりがよく読み込み、内側からその言葉が生まれ出るように歌えなければ、聴いてくださる皆さんには伝わらず、ただ音が流れてしまうことになるだろう。
コロナ禍で逼塞を求められた生活の中で、またアルマに縁のある国で5月の今も止まない戦争の惨禍に心を痛めずにおれない日々。この曲を歌うことは我々にとって特別の意味を持つことにもなった。
戦争という愚かな行為を繰り返し犯してしまう人類の罪深さは、果たして許されるのだろうか。
それでも歌い祈らずにおれない。「地に平和を!」「人々に平安を!」と。
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【男声合唱組曲「ソネット集・第二」】(B2 増田 博)
男声合唱組曲「ソネット集・第二」は、私たちアルマ・マータの先輩である作曲家多田武彦さんによって作曲された組曲で、創立50周年を迎えた信州大学グリークラブの委嘱によるものである。
2007年1月20日に初演されたこの曲は、100曲近くに及ぶ多田さんの男声合唱組曲の第66番目に作曲された、多田さんが76歳のときの作品である。
信州大学グリークラブからの「できることなら、信州に所縁のある詩人の詩に作曲してほしい」という希望に応じて、立原道造の詩に作曲された。
多田さんはそれまでに立原道造の詩による男声合唱組曲を2作品作曲しておられる。
1968年の『優しき歌』と1991年の『ソネット集』である。多田さんによれば「今回も前作同様、詩の向こうに見える詩人の『高原の落葉林のように変化する詩風』をモノトーンのア・カペラ男声合唱組曲にまとめた」とのことである。
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さて、その立原道造である。道造は、1914(大正3)年7月、東京・日本橋の商家に生まれ、一高から東大建築学科を卒業し石本建築事務所に勤務した、将来を嘱望される建築家であった。
在学中から短歌をよくし、次いで詩に傾注し詩誌「四季」の同人として活躍した。
しかし宿痾の病は道造の身体を蝕み、1939(昭和14)年3月、24歳で夭折した。
生前に自ら企画編集した詩集「萱草に寄す」及び「暁と夕の詩」を出版、また、その死後遺志を継いで堀辰雄らが詩集「優しき歌」をまとめ、角川書房から出版した。
道造の作品のほとんどはソネット(1篇が14行からなるヨーロッパの定型詩)形式を採り、そのまとまりのある詩形に優美で繊細な音楽的美感が流れている。
多田さんはこの組曲の作曲に当たり、道造の各詩集から6篇の詩を選んで作曲した。
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第1曲の「夢みたものは…」では、最初と最後に「夢みたものは ひとつの幸福」「ねがったものは ひとつの愛」とうたい、まるで踊りの円い輪のように詩句がリフレーンする。
眼前の風景の中にいる田舎の娘や青い翼の鳥にも道造の温かいまなざしがある。
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終曲の「民謡」には、――エリザのために という副題がついている。
このエリザは、ドイツの抒情作家テオドル・シュトルムの代表作「みずうみ」の女主人公エリーザベトであろう。
「みずうみ」は美しくも儚い恋の物語で、男主人公のラインハルトは植物学者であり、傍ら各地の民謡、俚謡を収集している。道造の詩の題名はこれに因むものであろう。
作曲者の多田さんは「選んだ6篇の詩には、特に相互に関連はないが、…」とおっしゃっているが、その全篇に美しくも儚い恋が通奏低音のように流れているように思われる。
第1曲から第5曲へと緩急をつけて歌われ、第6曲「民謡」へと流れ込む。
この道造詩の韻律を見事に楽曲化したこの組曲をよく味わい表現したい。
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3.諸連絡事項(5/25練習時)
3-1.第59回定演「打ち上げ」の実施について
定演打ち上げについては、当初、当時のコロナ禍の状況を背景に開催を予定していなかったが、次の状況等を踏まえ実施することとした。「錦城閣」仮予約済み。
・最近のコロナ感染状況を踏まえた地元自治体の規制緩和状況。
・「第40回ANCORの会」での4団合同の打ち上げ及び先のアルマ合宿時の夕食会での各ホテル対応状況(食事実施時の各種コロナ対策導入)。
*両ホテルでの感染防止を十分配慮した上での合唱の実施。
・例年の打ち上げ会場「錦城閣」実地調査結果:各ホテルと同様の対策実施確認。
*7月17日夕刻の適正な規模の会場(50名程度)が仮予約可能。
★近い内に打ち上げ参加募集を行います。
3-2.定演会場での、ウクライナからの避難者への義援金募金実施について
・2002年、アルマ団員とその家族など48人でモスクワ、サンクトペテルブルグ及びキーウに音楽の旅をした。
その際キーウで受けた歓待・交流の状況は、最近のアルマメールでも多くの団員が語っておられるとおりである。
・アルマゆかりのウクライナの方々が戦火を避け関西にも避難してこられていると報道されている。
・アルマとしてこの方々に少しでもお役に立てるようとの思いから、第59回定演会場で義援金募金活動を実施することを提案(いずみホールはホールロビーでの募金実施を基本的に容認)、団員の賛同を得られたため、具体的な準備に入りたい。
・T2奥泰夫さんの提案により、義援金を頂いた方に「フクロウの置物」を先着80から100名限定で差し上げる計画。
・義援金は大阪府担当窓口等に託すことで今後交渉していく。
3-3.3月から7月団費納入(銀行振り込み)のお願いについて
5月24日、メールにて団員の皆様に、納入金額をお知らせした。
5か月団費額は、17,500円であるが、預り金のある方には個別に納入金額をお知らせしている。依頼メール未着の方は、吉里迄お知らせください。納入は5月末までに。
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B.練習結果報告
➀5月25日(水) 18:50~20:50/中央電気倶楽部511
【実練習参加者(参加団員合計:29名】福島ピアニスト
T1(10名):岩本・大内・大澤・日下部・南茂・林・町田・松浦・山田・吉國
T2(6名):海上・上床・奥・谷野・福田・吉里
B1(7名):芦田・上野・香川・角家・木本・小寺・杉本
B2(6名):石橋・川口・富田・西村・増田・山下(千)
【YouTubeでの練習参加者(確認済みの方】
T2中塚
松井指揮者「Missa in a」を練習
☟クリックしてください
練習録画
➁5月21日(土)13時から14時Zoom練習勉強会
「Missa in a」を練習
【(参加団員合計:12名】
T1:大澤・林
T2:上床・中塚・吉里
B1:木本・杉本、
B2:鮎川・石橋・川口・森崎・山下(千)
☟クリックしてください
練習録画
【上床さんのコメント/2022.5.21】
アルマの皆様 本日13時過ぎに、上記アルマズーム練習勉強会のYoutube配信をしました。
下記のURLを送りましたが、送信できていなったので再度送信いたします。
最初の演奏のみしか参考になりませんが、宜しければ、どうぞご利用ください。
最初「キリエ」をうたった時はとてもうまくいきました。
その後シンクルーム合唱がうまくいかなくなり、皆で色々議論しながら試行錯誤をし
結局20数分でYoutube配信を中止しました。
以 上