平成26年5月21日練習報告書

                               平成26年 5月23日
          5月 21日(水)練習内容・連絡事項報告書      林 茂紀 
【1.練習内容】
(1) 18:20~18:50
・10分前から新曲「Heilig」の音取りを始める。梶田先生がそれを引き継ぎ、その後グレゴリオ聖歌「Kyrie」のおさらいをする。
・①上昇するときのスピード感 ④下線付き菱形符から123,123,12というリズムで動く。これは⑥でも同様。複縦線の間は止まらずに息を流して歌い続ける。
・音が下降するときダランとなるのは姿勢が悪いせい。背もたれにもたれないように。
・Kyrieからeléisonに入るときは、「エ」と言い直さずに流して続ける。
・⑨の小区分線の前の同音ネウマ2つ(ラ音)はタイで結び、言い直さずに伸ばす。
最後の小節で、付点レ音は下に押さえつけずに、ファ音への上昇につなげて歌う。
・「eléison」の「イ」を平べったく前に出さずに、鼻腔に響かせるように。「son」も息を流して。
(2)18:50~20:50
   田中先生の指導で「Kyrie」を歌う。
 <一枚の布が歌い出しとともに様々に波打ち、頂点へとひとつながりに動いていき収めるまでを身体の動きと歌で示された。絹の布が途中で厚くなったり木綿に変質したせず、同じ厚さで絹の輝きを保って波打つようにと、随所で表現し示された。>
・階名唱で。①「レファソラ」の「ソ→ラ」は天へ向かう動き。「レ→ファ」も同様。それが聴こえるように歌う。顔の表情もそうなる。「ラ」がふわっと鳴るように体全体でつくる。(何度もやる)
(また、一歩一歩進んでいくような歌い方をしないよう、これ以降も随所で指摘される)
「ファレドレ」から「ドレファソファ」へのつながり、「ミーレ―」の歌いおさめ方の練習。
・②「ラドレレー」から「ファ」へふわっと上がる。「ファレドレ」から「ドレファソファ」がどう実現するか。そこから「ミーレ―」への向かい方をつくる。
・④は裏拍で入り「2,12,12,123 123,12」のリズムで歌う。ビートがどこに在るか確認し、音楽をつくる一番大事なポイントがどこにあるかを皆で共有するために。3を「さーん」とせずに「さん」と短く深く歌い、次の「12」へ。(何度も練習)それが「フレージング」。すると最後の「123」まで前から用意されていて、必然的なところまで高まるという形ができる。そういう形を音でお客に見せないと説得できない。
・⑤途中の「ファレドレ」でためたものを次の「ドレファソファ」と浮かんでいくのにつなげる。これが実現すると「なんて美しい波だろう」つまり神に向かって祈りを捧げる敬虔な音の姿ができる。気持ちを込めて大きくしたりは、この場合はしない。精神的な高まりを客観的につくる遊び。
・⑨まで続けて歌う。⑨の「タイ」について「ララと二つ言わない」と指摘あり(梶田先生同様に)声がかすれてもいいから諦めずに息を流し続けること。 最高に高まる「ラドレレ―」では、フワーンと空に浮かぶ絹の布を見あげて歌う。次の「ド」で下に落ちてしまわぬように。「ドレラー」と跳ね上げない(布が切れてしまう)、ひるがえるように歌う。降りてきた時に布が厚くならないように。
・今のようなドルチェの美しい声の出し方を皆さん、どんどん習得してられる。今年はこういう美しい声を初めて聴いた。声は、いろんなことができるから面白い。(いつも「アアア」と前に出すばかりではつまらない)それを習得していこう。

  休憩後「Heidenröslein (Werner)」を歌う。
・まず「Rou」で一回通し歌う。6拍子で歌うこと(3拍子にしない)。これを歌う時も、さっきの美しい声を使うこと。
・ドイツ語で歌う。RösleinのRは3つ巻く。Rにも音程あり。「Rö―」の歌い方を徹底練習。自分の出す音程が、周りの皆を助けるか、壊すかに神経を使って出すこと。(練習を何度も繰り返す)「ö」の発音:口を縦に開けて(Oの形)舌で「エ」と言って発音する。
 一緒にやろうと意識しただけで、バラバラの時は汚かった「Rö―」が、きれいになる。それぞれの出した音波が広がっていって、前の空間で出会うのが合唱。
・「Sah ein Kna―」で伸ばす。前にいい音程で歌えたからといって次もできるとは限らない、1回1回ちゃんと新しくつくること(慣れっこになったら崩れる)。足の指で支え、周りを包む。
「一人の少年が、野原でバラを見つけたんですって」と、お話を始めるように歌う。(T系、何度も)B2、B1も音程練習。(口をOの形に開けたままで「アイウエオ」と発音練習を皆でやる)
・「Sah」の発音:「ザ」のまえに「ズ」もつけてやる。(「見つけた」喜びが出るように言う)
・「Knab」の発音:[k]の子音は次のnaと同じように何10m先のお客に聴こえるように出す。
「b」の発音[p]は唇を軽く閉じて息を「プッ」と出す要領ではっきりタイミングを合わせて発音する。
・「Röslein」のときは口がまん丸になるようにして「Rö―」と言う。
・「Sah ein Knab ein Röslein stehn」の母音を平べったく言ったら歌にならない。「Rou」の言い方で。
・「Knab」の発音練習を何度もしたあと最初から歌う。
「少年がね、一人のかわいい女の子を見つけちゃったんです」っていう話に聴こえるように。
・2段目「war so jung」から歌う。「若くて、朝のように美しいバラ(女の子)だった」んだから、もっと優しく。「morgen」も、そっけなく言ったのでは美しさが出ない。
・「朝のように」と「morgen」をそっけなくと、感じのこもった二通りの言い方でやり「何が違う?」と質問される。(色んな答え出る「響き」「母音の長さ」「抑揚」「アクセント」「爽やかさ」「表情」)「表情は何で出る?」音は物理現象。それが変わるから表情がつく。「どう変わったんでしょう?これは大事なこと」と課題を伝えられる。
・「野原で一人の少年が、若くて朝のように美しいバラを見つけて取っちゃった。そしたら色香も結局褪せてしまった」という落ちがある。その物語を、この年頃の皆さんがどう歌ってお客さんに喜んでもらうのか。正解はない。(一番を最初から歌う)
 素晴らしかったね。これを積み上げていきましょう。きっといい演奏になる。

【2.連絡事項】
 吉里幹事長から翌日(5月22日)の「京大での演奏会」についての集合時刻確認があった。当日服装等について再確認がされた。

【3.配付資料等】
 本日の練習用楽譜1枚(「Heidenröslein (Werner)」「Heilig(Schubert)」)

【4.出席者数】
 T1 : 9名、 T2: 14名、 B1 : 10名、 B2: 10名、  合計 43名

【5.5月 28日(水)練習予定】

 上床指揮者曲「尾崎喜八の詩から」Ⅲ Ⅳ を中心に練習する。2ヶ月ぶりなので、各自個人練習をして臨んでください。