平成26年7月9日練習内容報告書

                               平成26年 7月11日
           7月 9日(水)練習内容・連絡事項報告書      
                                     林 茂紀 
【1.練習内容】
(1) 18:20~18:35 体起こしと発声の後、梶田先生による「軟口蓋発声」レクチャー。
・顎を声帯に近づけるように下ろし、顔を上に向けると喉の奥が筒のように開く。この状態で顔を戻し息を通す。これが「いい声」の条件かなと最近思う。その時、顔の筋肉がどうなっているか。また、口の奥を開けたままで息を吸う。その時わずかだが奥が開く。それが軟口蓋が上がっている状態と言える。
(2)18:35~20:50  田中先生指導による練習
 Heidenrösleinを歌う。(1番を通し歌いする。その後1節ずつの練習へ)
・「Sah ein Knab’ein Röslein steh’n」「見たんです、一人の少年が」という感じが出るように歌い出す。ここでは山がどこにあるか。Rösleinに向かっている。(歌う)すると事件というか事柄がはっきり分かる。が、Knab’の音程が合ってないから少年が汚く見える。Kna―で伸ばしハーモニーを作る練習を繰り返す。Kは「Ku」ではない。無声音の「K」。母音をつけるとタイミングがずれる。(タイミングを合わす練習を繰り返す)
「Sah―ein」続けないでeinを言い直す(息をしてもいいくらい)。その言い方によって、どのくらい可愛い女の子だったかがわかる。(ボーっとRösleinと歌っても、ちっとも可愛くない)B系は同じ音が続く。そこでどうビート感を作るか(練習)。
 「Rö―」の発音の仕方。「O」の形で「エ」と言う(平べったい「エ」ではない)。「o øː」を繰り返した後「Rö―」røːの練習。Rからその音程で歌い出すこと(ずり上げない)。「Rösleinを美人にしましょ。とんでもなく可愛い子に」
・「war so jung und morgenshön」ここを作曲者はp(ピアノ)にしている。その意味を考えて。「morgen」で声が震える人がいる。それでは「朝の美しさ」が出ない。モル「ゲン」ではなく「gən」。「朝のように美しかったんですよ」と聴こえるようにタイミングを合わせて(主体的に)。
「warってどんな意味?」「でした」それは訳。意味とは音の心の味。「音の心の味」が出るように歌うこと。「shön」でT2とB1は一つになる。意識してそうなるようにすること(練習)。
・「lief er shnell, es nah zu sehn」を歌う。lief er shnellに付いている松葉の頂点はどこ?「走った 彼は 急いで それを そばへ寄って 見ようと」だから「nah」。shne ell es の間にcresc.が3回高まってnahに到達する。(T2 3つの音程は同じ。下がらぬように)
sehnこの発音の仕方は「変だぞ」ではなくて「うわーきれい!」になるように。ここで彼女に対する恋心が見えるように。「nah」と言った時に彼と彼女の姿や、二人の間の空間の変化が出てこないといけない。どういう音色にしたらいいか。近づいた、それが見えるように作らないとお客に伝わらない。(歌う)よかった!けど指揮者とではなく皆と作る。
nah zu sehnに付いてる松葉を作曲者はどういう思いで書いたか。それを実現する(正解はない。あなた方がどうするか、それが演奏)。nahに入ったらdecresc.する。それは大事なこと。
・「sah’s mit vielen Freuden」を続けて歌う。「たくさんの喜びを以って見た」意味=歌の心の味、そういうことを創造しながら歌ってあげる大人たちの声にならなきゃ、あなた方がやる意味がない。
・3、4段目を通す。rotと次のRö-は同じ音量がいい。最後のHeiden、T2伸ばしている時揺れないように。でないと皆を壊してしまう。それから最後「デン」と言わない、dim,とrit.しながら「dən」と曖昧母音で。最後「Heiden」の歌い方、野原をバカにしてるように聞こえる。野原のバラだからこそ美しい。汚れてない。そういう歌い方で。
・最初から1番の歌詞で歌い通し休憩。

・2番の歌詞で歌う。「格段の進歩をとげられた!」と。
・Ichの前の:は、少年は言いました「お前を折っちゃうよ」とセリフになっていることが分かるようにしてある。brecheの言い方の練習(鋭い破裂音・摩擦音で)。rは舌を3回ぐらい巻く。できない人は毎朝「ガラガラうがい」を続けてやること。一定の水の重みをはね返す息の流れを中断しないで続けることができる。これ、歌で一番大事なこと。それを養うには、これが一番早い。毎朝しなければ意味がない。それは身体が「この人はガラガラしないでいいんだ」と判断し、その機能を捨てていき、他に回すから。ついでに言うが、毎日歩くこと(25分×往復)。でないと、「この人は2、3日に1回しか歩かなくていいんだ」という身体にしかならない。毎日やることで、その筋肉が持続する。
・sprachの練習。できるだけ後に でachと言う。Ichのchをはっきり言う。
どうしてbrecheなの?(「美しいから」)そう、それが聞こえるように。
・2段目stecheは「シュテ~」と間延びさせない(短母音)。「刺すわよ」と言ってる。「シュ」の言い方は舌を上顎に当てる面積を広くするといい。Ichも短く(イ~ッヒとやらない)、chは次のsteに入る前に完了させて、つながらないように発音する(chよりsteの方が大事)。
・3番を歌う。「そして乱暴な少年はちぎっちゃいました」と他の人が語っている。
wildeもknabeも「デ」「べ」ではなく「d ə」「b ə」(曖昧母音) B2で練習(wildeが上ずらないように)wi――ldeと伸ばす音をキープして歌う。「イー」と言う音はドイツ語にはない。
(林注 [ɪː]はないということ。[ɪ ]は[iː]より口を開いた短音で口唇の緊張が緩んだ発音。つまり狭い[iː]ならLiebeのようにあるが、[ɪː]はない。ちなみにwildeは[víldə]と発音する。短母音なのに の長さで歌う難しさがあり、それをキープするには工夫が必要。なお元の形はwildで[wɪlt] と発音する)
Knabeのタイミングを合わせる。この場面ではどういう言い方がふさわしいか、考えて発音する。
・2段目2小節目からは一番大事なところ。「バラちゃんは抵抗して、そして刺しました」
wehrte sichではsichの方を強くしない(wehrte sichとやる)
次のkein Weh und Achは「泣き声も、叫びも 役に立ちませんでした」この2小節は「何て悲しいんでしょう」という悲しみが溢れていないと。次は「mußt es eben leiden」(そしてなんて悲しいことにちぎられちゃったんです)
・最後のHeidenは少しテヌートするので、nをちゃんと響かせてほしい。
・すばらしい!皆さん、うまいね。年齢的にもちょうどいいね。こんなにうまくいくとは思わなかった。

Heiligを歌う
・1番を通し歌う(2回)。
・Heiligが3つ続くが、前の2つは3つ目のためにある。が、3つ目を大きくするという意味ではない。全部同じ大きさで。3つ目は全音符。それがくっきり聴こえるように。Heilichの後にコンマ「,」が付いている。それをどう歌い、3回目をどういう入り方にするか。そのために前の2つがある。(歌う)
今多くの人は3つ目を言う前、ちょっと間を置かれた。それは、とってもいい間だった。(それをしなかった人が、それを壊した)聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、と言うために3つ目の前に間を置くのか置かないのか、3つ目(すてきな音になる)をどう歌うのか自分で作る。その時、足指がちゃんと地球を支えるように。自分に気をつけるのが、先ず大事。その気をつけた自分で皆を支えてあげる。
2段まで歌う。(「ここでベースが入ってくるのがええなあ」とつぶやき)そういうのが大事。歌っている皆が「ええなあ」と思ってなかったら、お客さんはそう思えない。
・これはハーモニーの練習にとてもいい曲。ガラガラうがいをしてなかったら、この長いフレーズを歌えない(ガラガラで、1段全部歌い通された!)。
・3段目の歌詞は「彼は、その人は何もしなかったが、彼は、その人はいつも居られた」このwarの重さ。それから4段目は「永遠に居て、統治し、そして居られるであろう、永遠に」これは神のすばらしさをずっと述べている。また、それに応えねばならないということでもある。
・seinを上3パートで。次T1T2で、T2だけでやる。自分の声を徹底して聴き、違っていたら直す。直せるのは自分しかいない。(ここで第2休憩)

・Freut euch des Lebens を梶田先生指導で歌う。

・Ständchenを田中先生指導で歌う。(先生も大高時代の頃うたっていたとのこと)
・1番の始めは「どうしてそんなに遠くにいるんだよ」そばにいてほしいのにと歌う。ferneではとてもきれいな音がするはず。それがどうして汚いのか解明していこう。
先ずB1B2でWarum bist du so fe――。違う人がいたら自分のいい音程で知らせてあげる。それが合唱。合わすのでなく歌い合う。歌い合うという意志を持たなかったら合唱死ぬよ。まだ違っている人がいる。絶対合うまでやるという意志を持って。あなたの声はあなたしか合わせられない。他の人にはできない。合うとどういう感じになるか体験しているはずだが。今まで一遍も合ったことがないんだろか(笑)。
・全員で歌う。足の指10本全部でfe–―とやる。それを可能にするのがRowRow・・・。
・皆でRowRow・・・をやる。
 白鍵だけを使って例えば ミファミファ・・ミファソファ・・ミファソラスィラソファミ・・・・――の音階。高音でやり方を変えないで同じようにやる。その時、支えるのは腹ではなく足の指。
次は、ファソファソ・・ファソラソ・・ファソラスィドスィラソファ・・・・――の音階で。
ファソラスィドと上がって行く時、横隔膜がせっかく押していこうとしているのに、余分な力が入るとそこでギュンと押されるから余計息の量が出てしまう。すると喉で抑えなきゃならなくなる。それで喉声になる。この方法は、全部どこまで行っても何もしない。足の指で身体を支えるだけ。これを毎日やると、ひとりでにできるようになる。毎日しなかったら、できるようにならない。筋肉が必要だと感じないから。感じさせるためには毎日やること。

【2.連絡事項】

①B1桒原さんが練習に参加され、紹介があった。
②吉里幹事長からの諸連絡事項
・定演負担金の集金(第1回分:1万円)を始める。各パート会計まで納入をお願いします。
・「ANCORの会」CD・DVD代金は、DVD完成時に集金します。
・7・8月分団費納入は、できるだけ速やかにお願いします(再依頼)。
③団員増強チーム森崎さんから
・先月お渡しした「新入団員勧誘申告カード」は、フォーロー結果記入の上、来週練習時に各パートマネージャーにご提出ください。
④上床さんから、7月12日に迫った「フェニーチェ・演奏会」の紹介があった(14時開演・豊中市立ローズ文化ホール)。

【3.配付資料等】  なし

【4.出席者数】

 T1 : 8名、 T2: 13名、 B1 : 12名、 B2: 12名、 合計 45名

【5.7月16日(水)練習予定】

  上床指揮者「尾崎喜八の詩から」Ⅲ、Ⅳを中心に
以上