2018年3月28日練習報告書

平成30年3月30日

3月28日(水)練習内容・連絡事項報告書

林 茂紀

  • 練習内容】
  • 18:20から18:50

林技術委員長による準備体操・発声練習の後、新客演指揮者・松井義(よし)知(とも)さんを山下代表が紹介。

松井さんより挨拶

昨年12月の総会で決定されたとの連絡を受け、今日の日がとうとうやって来たとの感じがしています。私はアルマ・マータのスタートの年に生まれ全く同い年。増田さんからいただいた冊子(アルマ小史)によれば、アルマ第一回定期演奏会は私の小学校入学の年にあたり、随分親しみを感じています。

大学は大阪音大で、福島さんの先輩に当たり(笑)そこの声楽科を卒業。在学時は浦山弘三(テナー歌手)先生に師事。声楽を専攻する者は殆どオペラの方に行ってしまうけれど、私はリートの方が性に合い、Shubert・Shumanを中心に、Mozart・Beethovenを勉強していました。

大学3回生の時、現在も所属している「テレマン室内合唱団」を延原武春が1969年につくり、その最初のメンバーとして一緒に活動し40数年(テレマン室内オーケストラの方は今年で55年になる)。そこでバロックを中心とした西洋音楽をしてきました。

甲陽学院で42年間勤め定年退職。その高校にはグリークラブがあり、私は新任で入学式の日にそのメンバーから「ぜひ指導よろしく」と頼まれ、初日から合唱活動を始めることになった。何年かして、「多田武彦という人の作品をぜひやりたい」と言われ、初めてその作品に出会い、存命の方であることも知った。それ以来、高校生と多田さんの作品をたくさん手がけてくることになった。多田さんは昨年12月に亡くなられ、本当に不思議なご縁がアルマ・マータの皆さんとあるな、という感じを強く抱いています。

1月に林・山下さんとお会いして「曲を何にするか」ということでPalestrinaを選んだけれど、大変だなあと思っている。けれど今まで私の経験してきたものをできるだけ皆様にお知らせしながら、一緒に音楽づくりができたらいいなという思いです。私は教えるとかいう立場じゃなくて、皆さんと一緒にパレストリーナの音楽をつくろうという意思であり、上からでなくて一緒にするということで「先生」

はやめてください(笑)。「松井さん」というのでこれからお付き合い願えればありがたいと思っております。

(2)18:50から20:50分

Palestrina:Missa Aeterna Christi Munera より、前半Kyrie、後半Gloriaの43まで練習

Kyrie

・一回通し歌いする(大半は歌詞で、階名唱もまじって。ピアノと共に)。

・1~13小節の練習:(B1→B2→B1B2→T2)

最初はpで、途中のmfでボリュームに差をつけて歌うこと。decresc.で小さくせずをmfのままで歌う。カンニングブレス(隣を聴きながら、全体としてつながっているようにブレス)で、いつも息がたっぷりある状態で歌えるように。

「ele—–i son」の歌い方:「i」は一番後ろ「son」の手前で言う(「イ」とはっきり言わない)

・8~13小節mfで歌う練習(T2B1)T2はB1が入ってきたら、B1を聴きながら自分のパートをmfで歌う。そして新たに入ってくるパートが先行パートを追いかけていく。

・T1T2で1~13を歌う。

新たなパートがテーマを歌い始めたらそちらに少し耳を向けつつ、pmfのボリュームの差を一所懸命つけようと思って歌う。

・12~:T1B1互いに聴きあい、溶け合う声で歌う(レファ→ドミ→ドレ→シレ→ド)。一音ごとに伸ばし確かめながら練習。それをテンポで歌っている時でも相手を聴いてハーモニーを作っていく。

・T2:14「Christe」~の練習。1のKyrieがソーラシと2度で動くのに対し、Christeはファーラ(シ)。20はソシ(ド)と、3度上がることを意識して音を取る。(29まで歌う)

・T1T2で14から歌う。17から3度でデュエットしていることを楽譜から読み取り、それを意識して歌いたい。長い符点2分音符を歌う時は、いきなり大きく出るのでなく、出てから3拍のばす間に少し音をふくらます・育てる(たわめる)。29はでdim.してmfになるように(小さくし過ぎない)。

・全パートで最後まで歌う。B1B2もChristeで3度上がること(ドミ)とpmfの差をつけることを意識して。

・B1:42、B2:39「Kyrie」の歌い方。音符は3つだが、1音ごとに刻むのでなく全音符のイメージで歌う。「Ky―」とのばしている時に真ん中で少しふくらむ(音が育つ)。突っ張るのでなく、中から温かいものがフワーッとこみ上げてきて、それが4拍の間に静まっていくように歌う。

最後の「(―ri)e」で少し小さくなって、そこからもう一つの歌詞「eleison」を歌っていく。3小節にわたって「(e)lei—-son」と歌う間、ずうっと気持を持続させていく。(B1B2で歌う)

・30から全パートで:mfで始まるのは、それだけ気持が高まっているということ。

30のT2、31のB1、34のB2の音の動き(形)が主旋律。それに対し同じKyrieでも34B1、35T2、36T1は「パンパンパン」と4分音符で動く(合の手)。31のT1も同じ合の手(2分音符で入るが)。それをはっきり意識・区別して歌う。

またB1(ソ)→T2(ド)→T1(レ)へと、自然に、より力がこもっていく(入りを強めにしていく)。

そのエネルギーが39B2のにつながっていく。

・37でT1T2は、また3度でデュエット。それを意識し、自分の気持を切り替えて歌うこと。

39T1、40T2がで動く所を一番力強く歌いたい。T2は39の2分音符を早目に終わって、次40の「ky―」にエネルギーを使う。41~42:ffで歌うときも、耳を他パートに向けて。

・30~最後まで歌う。最後の「eleison」は「憐れむ」と訳されるが、意味深い言葉。だけれど力強くではなく、大きくても愛情あふれる声で。

・「―son」の時の口の形:顎を引いて、喉奥の「軟口蓋」を上にあげて、その方に声が上がっていくように。唇はすぼめて(トランペットのアサガオのように)。T1はB1B2の倍音(1オクターブ上の)と同じ音程で、入る前の一瞬にB1B2を聴こうとして(先に出ない)から入る。ルネサンスこの頃の音楽では、それがとても大事なテクニック。

・通し歌いする(立って)。終止の時はに関わらずグーッと押さえつけずリラックスし、ほどけている感じで(声帯そのものも)。

・B1B2終止の「―son」練習:その方が倍音が豊かに鳴る。その上にT1オクターブで。T2はCに対し完全5度で。それが低いのは困る。ちょっと高い目がいい。

終止の「―son」を皆で。この部屋が、演奏会の時はホール全体が響いてくるような感じになるといい。

「Gloria」

・GloriaはKyrieのような具合にはいかない。まず言葉が多い。それも殆ど一回でどんどん言葉が変わっていく。

・冒頭~44小節まで一回歌う(ピアノと共に)。

・ラテン語の発音について。いろいろあるが「gratias」のtiはツィ[tsi]。(「tibi」は、ティ)

・1~6まで歌う(発音指導あり)。T1B2、続いてT2B1、T1B1で。そのの後全パートで。

・「Et in terra」(そして 地上では)「エーティン」としない(何度も注意)。はっきり分けて言うこと。

・「bonae  voluntatis」(善い 意志)bとvとはっきり区別して発音する。特に「v」には、自分の意志が入る(→vの子音を長く発音)。T1続いてT1B2で歌う。「bo-nae」はboにアクセント、naeは軽く発音。「voluntatis」は「ta-」にアクセント。

・B1は入る音(C音)を十分準備して入る(不安なまま入らない)。

・「Laudamus te」(賞め讃える あなたを)まで歌う。これも2つの単語。「ムステー」とは歌わない。Laudamus は3音とも4分音符だが、一つずつやらずにLauは軽い目、da-は重い目、musは軽い目で。T1はmusでA音に上がるが、語尾なので軽く。

・B1B2「Benedicimus  te」:di-を重い目に

・T1T2「Adoramus te」:ra-を重い目に

・B1B2「Glorificamus te」:ca-を重い目に  以上すべて-musは語尾なので軽く収め、teにつなげて発音しないよう注意する。

・T1T2B1「Gratias agimus tibi」:Graのrは数回舌を巻いて発音し-tiasに向けふくらみ「感謝する」という意味を持って歌う。その「あなたに感謝する」を受け「なんでや?」というのが次のB2B1「propter magnam」につながっていく(「あなたの偉大なる栄光のゆえに」と)。

・B2「propter」4分音符2つを同等に歌わない。proを重く、-pterを軽くする。

・11~17を歌う。どんどんどんどん新たなフレーズが重なり合ってつながっていく、そういう難しさがこのGloriaにはある。

・最初から歌う。「Et  in terra 」の前に「Gloria in excelsis Deo」(天の高いところには神の栄光がありますように)が省略されている。それを受けて「地上では 善い行いをする人に 平和がありますように」と歌う。決して「エーティン」とはやらないように。27まで歌う。

・24~で「Jesu Christe」がついに出てくる。しかもで。B1練習(ピアノと共に)。

(ここで25「Chri -」に「コンマ」がある意味は?と質問あり。「息をしてもいいですよ」ということだが、しないほうがいいとの返答)

・「Jesu」で「イエー」とやりすぎるとキリストらしくない。イからエに変わる時、イに近いエ(狭いエ)にする。「Christe」の「ri」は舌を何回も巻いて発音する。「Ch」はスピード感不要、丁寧に。

・cresc.よりdecesc.小さくしていくほうが難しい。余程前から覚悟して準備しボリュームを絞っていくようにする。

・20~T1はで歌い出し、22にdim.が付いているがmfまでする必要なし。のイメージのままで、フレーズがフレーズ終わりますよという意味合いでのdim.次のDomineに入る時mfに小さくする。

・11~31まで歌う。

・31:Qui tollisで初めて4声部がそろう。1音ずつの和音を確かめる。C(ドソドミ)から、-lisでG(ソソシレ)に和音が変わる感覚を感じながら、それを使って歌う(を付けて→in tempoで)。

・「tol-lis」の歌い方:to―と伸ばす2分音符の最後に「l」を言ってから「-lis」を言う(lを2回発音)。「トーリス」にはしない(何度も練習)。ここは「この世の罪を取り除くお方」の意。

・33~「miserere  nobis」(私たちを憐れんでください)reは狭いe-にして。

B2は2分音符で動くが、一音ずつにしないで、一つの言葉として歌う。

・39「suscipe」のsciは[ ʃ i] と発音。「どうぞお聞きください」の意、はっきり言うこと。

・40「deprecationem」の発音「カツィオーネム」(「私たちの祈りを」と言う大事なところ)

・27~43を歌う。B1B2で38「suscipe」から歌い確かめたあと皆で歌う。43で一つの終止。

・次のB1B2「Qui sedes ad dexteram Patris」(父の右にお座りになるお方)「アーデークス」とはつなげずに発音する。次のB1:dexteは、[kst]子音3つをはっきり発音する(省略して聞こえる)。

 

ラテン語はアルファベットで発音しないといけない。我々日本人は、それをカタカナで表してしまうと子音母音の難しさがある。30分前の発声練習の中で、できれば子音と母音の発音の仕方を練習できればいいなと思っています。

次回の練習はGloriaの後半とCredo の61小節(P10)までやる予定。

 

【2.連絡事項】

*吉里幹事長から

・「パレストリーナ」1ステージ参加団員について、大西昌三さんが練習見学即入団を決められ、挨拶があった(パートはB1)。

B1佐藤さん(本日、風邪のため欠席)・吉村さんが、本年も当1ステージ参加される。

・米国演奏旅行について概要及び参加申込を送信した。申込書を4月4日までにパトマネに提出。

・定演CD・DVD・BD申し込み本日締め切り。DVD・BD単価は、1000円に確定(CD500円)。

・ANCORの会第4回合同練習日は、4月13日(金)開催【4月14日(土)開催の連絡は、誤り】。お詫びして訂正いたします。

*石橋団員増強担当委員から

・4月21日(土)練習日に、練習見学会/懇親会開催。定演来場の京大合唱団OB7・8名対象。

*角家さんから、コンサート ゴスペル「自由への道標」紹介があった。5月12日(土)14時開演・堺市立美原文化ホール・ジョン・ウッダードⅢ他出演・@1000円。

 

【3.配付資料等】上記コンサートチラシ

 

【4.出席者数】(会場:511会議室)

T1:13名 T2:12名  B1:12名 B2:11名 合計:48名

 

【5.次回 4月4日(水)の練習予定】

上床指揮者:「樅の樹の歌」より2「金峰山の思い出」を中心に、3「故地の花」も。

以上