京大合唱団90周年記念歌の祭典

演奏会概要

当団は、もともと京都大学のOBが集まって結成された(今は門戸広く誰でも受け入れる一般合唱団)。在籍メンバーの多くが京大合唱団(京都大学の混声合唱団)出身のため、同合唱団の90周年記念イベントに招かれ演奏することとなった。若い団体も含めて、多様な音楽が繰り広げられる合唱祭のような演奏会。

演奏曲と解説

1.「琵琶湖周航の歌」 作詞:小口太郎 作曲:吉田千秋 編曲:篠田昌伸

この曲は2016年アルマ創立70周年を記念して委嘱、2017年の第55回定演において客演指揮・田中信昭、ピアノ・福島久仁子によって初演された。皆さんもよくご存知のこの歌、篠田さんは「1番で船出し6番までで琵琶湖を一周する、それにつれて景色が変わっていくイメージで編曲した」と語ってられました。琵琶湖の波を表すピアノの変化とともに進み、展開していく歌の世界を楽しんでいただければ幸いです。

(指揮:太田茂之 ピアノ:福島久仁子)

「川沿いの道にて」 作詞:林 望 作曲:上田真樹

アルマでは今を生きる作曲家の曲を歌い継いで行こうとしています。今回は「男声合唱とピアノのための組曲 夢の意味」です。振り返ってみれば人生は「一炊の夢」のようなものかも知れない。この「今」は「夢」なのか「現(うつつ)」なのか?幼少期から老年期に至る人生を「夢」をキーワードにして描く5曲からなる組曲の、これは第2曲です。炎熱の夏が去り、秋の気配がやってくるの時に感じた喪失感。その微妙な<終わり=始まり>の移り変わりを歌います。

(指揮:太田茂之 ピアノ:福島久仁子)

「紀の国」 作詩:津村信夫 作曲:多田武彦

この曲は「男声合唱組曲 父のいる庭」の終曲で、1962年に京大男声合唱団が委嘱・初演して以来、愛唱曲として今日まで歌い継がれて来ています。この5月アルマは、関西で活動する他の3つの合唱団との合同ステージで、この「初演版」を演奏しました。そしてこの演奏を通じて、詩人の遺児(今80代のご婦人)から音楽への喜びに満ちたお手紙をいただくという望外の幸せを味わいました。その感動を胸に歌います。

(指揮:上床博久)

「美しく青きドナウ」 作曲:ヨハン・シュトラウス2世 訳詞:林 茂紀(アルマ団員)

アルマでは2019年第57回定演以来、ヨハン・シュトラウスⅡの作曲によるワルツの名曲「美しく青きドナウ」「酒・女・歌」「ウィーンの森の物語」を演奏してきました。それも団員による新しい日本語の訳詞で。今回はその中から「美しく青きドナウ」を。「流れ入る兄弟のすべてを受け入れ」「水底で見てきたすべてをささやき伝え」「こころをひとつに結び」「どんな時も励ましてくれる」母なる川ドナウへの限りない愛を誇らかに歌います。

(指揮:上床博久 ピアノ:福島久仁子)