田中先生とびわ湖声楽アンサンブル

9月17日びわ湖ホールで「びわ湖ホール声楽アンサンブル」の公演を聴きに行ってまいりました。
台風接近のさなかということもあってか、完売だったはずなのに結構空席がありました。(今朝のHPに「空席あり」と載っていたとのことです)
 
 田中先生は4ステージ、お元気に見事な指揮をされていました。
前半アカペラ2ステージ(武満徹・間宮芳生)。最初の一音から心地よいハーモニーがホールに響き、それは終始崩れることなく、デリケートな歌も、土着的なリズムの激しい盛り上がりも大いに楽しませていただきました。
後者の「草の葉には」では最後の和音(P)でBが実際出している音より低い「下の倍音」が鳴っているのを目の当たりにしました。

 後半は中嶋香さんのピアノで2ステージ(平川加恵・三善晃)。
柔らかい息づかいから砕け散るような激しさまで、ピアノと合唱のアンサンブルが表現する作品世界に耳目を集中させて聴き入った前者の「三節による郷愁の彼方」。
一転、後者は何せ「唱歌の四季」。16人の歌い手とピアノと田中先生との協奏を見聴きし楽しみながら、我々の重ねた練習のあれこれを思い出さずにおれませんでした。

 そして「アンコール」です。皆さんへの「?」付きの予告が当たりました!
篠田さん編曲「琵琶湖周航の歌」混声版の初演。
中嶋香さんのお口添えもあって、田中先生から「この3月大阪でこの曲の男声合唱版が初演された、この中においでの方」と声を客席にかけられましたので、隣の席の上床さんとともに、
サッと手を挙げました。後席の方では富田さんも。
「おー!」という声とともに拍手が湧き起こり、実に晴れがましかったです。
「それがなかったらこの混声版もなかったわけです」に、また拍手。
他にもどなたかおいでだったでしょうか?

 さてその混声版については、直接感想をお聞きください。
気づいた変更点だけ少し記します。
・ソロはT2T1→アルトとソプラノに。B2B1→B・BとT(オクターブで歌い出し、後半Tはオブリガートに)。
・最後の「語れ我が友―」の所のT1「ah―」は無しで「と~もー」のまま同じ音型でソプラノが歌って(いるように聴こえ)ました。

 帰りもまだ雨は降らず、乗せていただいた上床さんの車窓から雲をかぶった比良連峰と、灰青色にかすんだ伊吹山が遠望できました。
                          T1 林 茂紀