1月29日練習報告

1月 29日(水)練習内容・連絡事項報告書
                         林 茂紀
【1.練習内容】

(1)18:20~18:50  梶田先生指導による体操、脳活性化に効く「指あそび」の紹介(両手の5本の指先をそれぞれ合わせ、そのうちの一対をクルクル回転させる。それを5指みなやる等)、発声
(2)18:50~20:50  
 梶田先生による「グレゴリオ聖歌」講座
 ・去年は日本の昔から続く音楽をやり、今度は西洋音楽の一番最初のグレゴリオ聖歌をやるというのは
 おもしろいと思う。が合唱としてどうなっていくのかは別の話。ただ、これをやるのはそれだけですごく楽しい。この間必死で友人、先生から資料をもらったりして、かつて無いくらい勉強してきた。
 ・知っておいていただきたいのは歴史。それがバックボーンとしてあった方が楽しい。
 この名は教皇グレゴリウス一世(590―604年在位)にちなむ。キリスト教の布教がローマ帝国の拡大とともに広がる。その際、「祈り」として聖歌ができる。4世紀頃に発し8世紀から13世紀(いわゆる中世)にいろんな地域にあった聖歌が整理され、典礼化されていく。11世紀頃から特に発達し、今回やる「天使のミサ」は13~4世紀頃にできたもので特に輝かしかった時代のもの。
 ・グレゴリオ聖歌は単旋律だが、やっていくうちにそこから2声、3声になっていく。その時期にレオニマスやレオティヌスという作曲家が出ている。合唱で一番有名なのはギョーム・ド・マショー(仏1300頃~77)。グレゴリオ聖歌の盛り上がりと同時期にこういう音楽の発展もあった。世俗曲も。
 ・10世紀頃からの多声化に伴いヨーロッパ音楽が切り捨てていった要素が、グレゴリオ聖歌には含まれている。それは何か。微妙な音の高さ、伸縮自在な音の長さ、音感、今の楽譜では表せない微妙なリズムのズレ。そういうものがあるのがグレゴリオ聖歌。修二会に続き、こういうのをやられる。きっとうまくいくと思う。
 ・渡されている楽譜は「ネウマ譜」というもの。口承から始まり、歌詞を書くようになり、10世紀頃に初めて音符が付いた。それに11世紀頃横線が付くことで音高がはっきりわかるようになる。そして13世紀以降に四角形の音符(ネウマ)が一般化したらしい。

 ・楽譜の読み方について。なぜ四線譜なのか。それは普通1オクターブしか使わないので不要なため。
 歌い始めにちょっとした間がある。(1段目Kyrieの前、Christeの前)が、休符という概念はないので、8分休符か4分休符かという詮索はナシにしてほしい(便宜上付けるとしても固執しない)。そういうものはずっと後に出来たものなのでネウマ譜には当てはめないでほしい。
・楽譜の頭にある「C」のような記号は「ハ音記号」(そこが「ド」を示す)ヘ音記号もある。
――歌い方については楽譜に付けた資料参照、以下はそれに加えて
・付点つきは約2倍の長さで。
・ネウマは2つのグループに括ると読みやすい(1.2拍のセットと、1.2.3拍のセット)。
・四角符の横や菱型符(下降音)の下に付いている|はイクトゥスといい、一拍目を示す。(軽くアクセント付きのように歌う)
・各段の最後に半分ミスプリのように付いている印は次の段の最初の音の高さを示している。
・楽譜に付いている縦線は少、中、大の区分線、それに複縦線がある。区分線の間は基本的にひと息で歌う。区分線では「呼吸を整える」。♭は、その小節すべての同音にかかる。
(以上、Kyrieを歌いながら確かめる)
・(四角符の右に付いている長い縦線は何を示すのか?)の問に「調べた範囲では分からない、なにか意味があるはず。研究課題」との答え(歌い方の流れに関係しているように思えるが、と)。
・グレゴリオ聖歌の二つの歌い方について。「アルシス」は「急・飛翔・進んでいく」歌い方。「テーシス」は「緩・休み・ふわっと着陸する」歌い方。(ともにギリシャ語)この緩急の歌い方が基本になっている。
・bisは、そこまでを繰り返す印。
・元調で歌ったあと音源を聴き、短3度下げて歌う(D音・レ音から始める)。
 ・これからも歌うときはこの「ネウマ譜」でやりたい。アルシスとテーシスの歌い方がこの譜からは見えてくる。次は「Sanctus」をやりたい。我々の知る調性の前に旋法というのがあり、これはリディア旋法(Kyrie Gloriaがそう)の変格でヒポリディア旋法で書かれている本当にすてきな曲(次のAgnus deiもそう)。この違う味を感じてほしいので。

 ヴィクトリアのモテット
 ・スペインの作曲家 16世紀にはこんな素敵な曲が作曲されている。
 ・各声部が旋律をズレて歌っていると、ハモるところが出てくる。そこを意識して歌いたい。
 ・①ドが主音 芯のある声でしっかり出す ②シは導音(ドへの)高めにとる ③ソは何があっても高めにとる(グレゴリオ聖歌も然り) ④ミは低めがいい(純正調)きれいにハモるところを探したい。(なおグレゴリオ聖歌では高いほうがいい)
 ・1段目 B2は3小節目で、動く喜びを(心が動くからという必然性がそこにある)。B1は5度高い音で出る その宇宙的な和音の響きを出す。
 ・B2からB1の「ラ→ミ」に対し、T2からT1は「ミ→ラ」と鏡のようになっている。それが色んな所にあることを意識して歌いたい(絵画的な要素)。
・各パートの音程を確かなものにしたい。倍音が響くような豊かな声で、どうしたらよくハモるか探しながらやっていきたい。
・2段目「ut in-」は先ずT1B2が入り、次にT2、最後にB1が同じ音型で入る。この模倣も色んな所にあることを意識したい。
・和音を意識したいところ 3段の2小節目「ラドミ」 P4の2段2小節目「ドミソ」
・3段目 21~31小節が3拍子になっている。いかにもスペイン風、踊りの要素が入っている。3拍子の頭を意識して歌う。そのラストは不安定なドミナントのままで終わる。次に進みたいという緊張感をもって歌う。
・P5 2段1小節目 T1はラ音をいい音で続ける。そこに他3パートが入りラドミの和音が鳴る。
T2「Mi―」は主音のド。それを他パートは聴いて歌いたい。3小節目のB1B2「me-」はファのオクターブであることを意識する。
・同3段2小節目でT1が消える瞬間(2拍目から3泊目)に余り無いようなすてきな和音が鳴っている。
・このように曲の造りを分析しながらやっていけたら、それがハモる感覚にもなっていくのではないか。

【2.連絡事項】
 ①吉里幹事長より、
・新年会開催に当たりご苦労頂いた福島先生、アルマ担当各位に感謝いたします。
・京大経済学部卒50年イベント参加者申込は本日締切。
<結果>T1:5名・T2:10名・B1:6名・B2:5名 合計:21名(1部未定者有)
・「2014年度アルマ新団員勧誘申告カード」提出、本日締切(森崎さんまで)。
・定演写真、本日から申込受付開始(コメント入り大写真:500円・小写真:100円)。受付期間は
1ヶ月程度。担当は奥さん。
 ②梶田先生から
・「Harmony for JAPAN 2014」3月8日(土)・9日(日)、長岡京記念文化会館で開催。
8日に、信長 貴富・本山秀毅先生等による講習会。福島県の中高生等出演。2日通し権:1500円。

【3.本日の配付資料】
  梶田先生からのチラシ
【4.本日のパート別出席状況】

T1 9名、T2 12名、B1 12名、B2 9名  計 42名

【5.次週 2月 5日の練習曲】

  上床指揮者「オペラ合唱曲」より 「囚人の合唱」「ナブッコ」から          以上