平成26年5月7日練習報告書

                                 平成26年 5月9日
          5月7日(水)練習内容・連絡事項報告書         林 茂紀
 【1.練習内容】
(1)18:20~18:50 梶田先生、続いて田中先生による身体起こし、呼吸、発声の指導。
・立ち方の基本 立つとき体重を支えるのは地球。その接点は足の裏しかない。その接面を有効・効率的に使って体重を支える(それが下手だと膝や足腰がくたびれたりする)。それには足の5本の指、外側、かかとで地球に立つ(土踏まずは着けない)。膝は硬直させない(逆立ちのとき肘を突張ったら立てないのと同じ)。硬直すれば指が働かない。すると足が萎えてくる。いつも良い姿勢で体重を支えているのが大事で、それに慣れた股関節は非常に頼りがいのあるものになる。そして毎日歩くこと。一日やめるとすぐダメになる(経験上言える)。自分の体に合った靴を徹底的に探すこと。
・上半身の姿勢 背骨の付け根(腰)が硬直しないように、その両側にゴルフボールより少し大きい球が2つ入っているイメージで(それが腰の関節)。お腹が出るのは体重が後ろに行っているからで、前にやり10本の指で立てばへっこむ。体重を2つの球に乗せ、それが膝を通して10本の指に伝わっていく。すると何もしなくても良い姿勢になる。
腕や手の中身はおかゆ。お腹を出さずに背筋を伸ばし脱力すると、だらりとした腕の指先がじーんとして来る(緊張して止められていた血が流れ出した証拠)。それが自分の体をいたわる、大事にするということ。そうやって生きていく。
首の中もおかゆ。おかゆの中に頚椎が縦に7つ浮いている。頚椎の間をおかゆが行ったり来たりできている。そう思うだけで首のあたりがリラックスできる。
頭の中は脳みそではなくて真っ白いきれいな砂。その一粒一粒が光っている。サラサラといい音がする。
(そういうことを芸大の体操の先生に習い、トレーニングに通った。その御蔭で私は今もこうして元気でいられる)
・発声の基本練習 下顎を喉仏の方にストンと下ろす。一回一回ちゃんと上げ下げしながら「RouRou」(aでもoでもない曖昧母音になる)これは顎の練習。
最後伸ばす(これは息の練習)。息を使ってきた状態の後で、痩せずにちゃんと伸ばせるかどうか。
伸ばしていると倍音(オクターブ上)が聴こえる。それを聴きながらリラックスした表情でやる。
音程が崩れてくるのは聴いていない証拠。最後まで同じ音程で伸ばせる技術を持っていないと歌はうたえない。
いい声を出そうとしない。息は自分にはいい音には聴こえない。リラックスして周りが全部共鳴した時に音がここ(頭全体)から出て行く。(口から出ていく声は狭い)
足の指でその音程を思い、支えて出すように(1音だけ出す練習を繰り返す。リラックスして。喉で音程を操作しようとしない。皆の音が合うか否か確かめつつ)。
「ドレドレ・・・ドー」高い音と思わず、息で音程を出す。
(2)18:50~20:50
  ミサ曲Ⅸから「Kyrie」をやる(座った時も足の指で支え、腰の球を意識して)
・前回付けた練習番号に沿ってやる。先ずは「階名唱」で。インテンポでやる。
・①「ファレドレドレファ」低くなりがちな「ファ」の音程が、ちゃんと合うように何度も練習。
  「ドレファソファミーレ―」「ファ」は軽く浮かして、「ミーレー」は大切につくる。その姿が「主よ憐れみ給え」という音楽になる。その音楽をつくるためにやっている。
冒頭の「レファソラソファ」音符2つずつの頭にビートがある。それは音を大きくするのではなく、(歌って)こういう(波のような)リズムがあるということ。
・言葉をつけてやる。「el éison」「é」にアクセントが付いている(以後すべてにわたり)。
・②も言葉をつけてやる。「お慈悲をください」その意味が音楽になっている。「e」の音は平べったくしない(以後の箇所でも何度も注意された)。願ってもダメだとわかっていても「大事にしています」という心を保っている、そのためにやる。私情を挟んではダメ。①②を通す。
・④⑤をやる。「el éison」「レエ」と分けて言わない。
ここは同じ繰り返しではない。「キリストよ憐れみ給え」「憐れみ給え」とどんどん重ねていく。
何となく気分で歌うのではなくて、音楽を作って、あたかも祈りを捧げている人達のように聴こえるように歌う。①から⑤まで歌って休憩(7:20~35)。

・⑥をやる。「クリステー」「エレエイ」と「エ」を平べったく歌っている人がいる。喉で歌ってはダメ。
さっきの発声の声でやること。音程を正すために「クリステー」で伸ばす。「クリ」から「ステー」に移行するとき音程が下がるのは生理現象。誰がやっても下がる(下がらない人は何か機械のようなもの)。
母音が変わっても同じ音はちゃんと下がらないように出せるよというのが技術。
「Christe」の「t」に音程があると思って、それをラの音程で出す。そしたら外れない。
伸ばしている時、倍音がなっている(1オクターブと5度の)。分かれて歌い、それを聴き合う。それが聴こえるかどうかで次のレパが変わってくるんだから(笑)。(戦時中の「聴音機」の話をされる。自分の耳を動かして倍音を探すようにと。聴こえなかった人は前に出て、聴こえるまでやった。一遍聴こえたら一生聴こえる、と。)
・音を伸ばしているとき絶対揺れないように。皆がちゃんと合ってハーモニーが鳴るって分からないとレパートリーも何にするか決められない。
・「Christe eléison」母音が「キリスト様」と聴こえるように。⑧まで歌う。最後の「son」は「ソーオーン」とつくり直して歌う。歌い終わった時に倍音が厳粛に聴こえているように。
・指揮を見ている人はとってもよく歌っている。意味なく振っているのではないので見てください。
(横にうねる波、たなびく布の動きのように全身で振られていた。アルシスとテーシスの体現/林注)
・⑧「Kyrie」の「r」は3回舌を巻いて、いい音程で。「e」に注意。
・⑨の最後の段をやった後①から⑨まで通し歌う。⑨の第一節でまちがったのでやり直す。
・⑥を再度歌う。12,123という変拍子のチャーミングな姿を作ること。
・⑦「Kyrie―」の後「~―」と動くときのタイミングと色が大事。(歌う)とってもいい。さっきより数段よくなったけど、その後の姿はこう(指揮)。
・⑨第一節のあとエネルギーを失わずに、さらに歌い高まっていくように。息の仕方は絶妙のタイミングで、切れないようにやる(手本示される)。12,12、123のリズムを感じながら歌うこと。それから「エー」音が汚くならぬよう発声の響きでうたうこと。途中までよくできたら、それを受けて最後は美しく歌い収められるように。

・ハーモニーの練習(カデンツ)「Rou」で1拍で動く。B2「ドファソ」が合わない、と練習。
・一人ひとりの出す音は、点でも線でも面でもなく、立体的にこの部屋・ホールの空間全体に響く。
一人ひとりの発する音程が空間を作っている。だから外れた音程を出すと、それが皆に聴こえ他の人が迷惑することになる。声が揺れないように気をつけ、それを意識してやる。努力すれば変わってくる。
(B2だけで何度も練習する)自分の音程がどう空間を満たしているかを意識して。その空間が持続して存在するように。(歌う)同じ人が気をつけただけでこれだけ変わるのだから、いつも気をつけていただきたい。(笑)
・合唱は自分が歌えばいいというものではない。歌い合う。そして互いを高め合うもの。(外れたらどんなにいい声でもただ周りを壊しているだけ)それを乗り越えるための練習がカデンツ。
・大きい声はいらない。合っていれば倍音に包まれ豊かに鳴る。(4声部でやる)
・T2B2でやる。T2「ド」B2「ドファ」で伸ばす。音程がズレている。声は線ではない、面ではない。空間なんです。一人外れるときちっと合っているはずの音程が揺れてしまう。分かっていてもそれをいつも実現するのは大変なこと。(何度もやる)さっきと違う倍音が聴こえてきたね。
・声が揺れるのは周りにとって迷惑この上ない。出してから合わせるのでなく出す前に合わせること。
・4声部で最初の音を伸ばす。ちゃんと合ったら自分の声は聴こえなくなる。外れている人の声はよく聴こえる(笑)。第2音を伸ばす。T1以外でやる。伸ばしていると音が動いてしまう。足の指で支えること。そしていつも新しく音程を出し直すこと。
4声部でやる。(T2は「シ」音をピアノの音より少し低めに出すとよくハモる。そこはとても微妙な加減。が、最後の「ド」音は下げた分高目に戻さないとダメ。)
・T2「ド」音を一人ずつ順番に「Rou(ポン)Rou・・・」と出していく。(何往復かやる)
いつでもこの音が出てない人は、迷惑をかけていることになる。早く慣れるように。
・「ゴロゴロうがい」の勧め。同じ圧で息が出て行くことができる身体をつくっていく。毎日やることで伸びていく。30秒続かないと歌をうたう横隔膜の自由さが生まれない。向上心を持って毎日やることで10数秒から20秒30秒と伸びていく。それは歩きながらでもできる。お経でもいい。少ない量の息で一定に横隔膜が働いてくれる。それを経験させないと一生できない。健康で、足の裏から始まるいい姿勢を保って、毎日うがいを続けたら、皆さんはいい音楽ができるはず。
皆さんは今日とてもいい方向を向いてきている。
皆さんの実力がよく分かったから、これから役員の皆さんと相談してレパを決めていきたい。
この「Kyrie」は、これからもずっとやっていきたい。音楽の律動を学ぶにはとてもいい。西洋では、こういう音楽が基本としてできてきたわけだから。また去年のように皆さんといい音楽ができることを楽しみにしたい。

【2.連絡事項】
  吉里幹事長から 
・「ANCORの会」、「京大での演奏会」当日スケジュールをメールで送信したが、ファイルを開けない等うまく受信できなかった方が多いようだ。最近買い替えたパソコンの設定等がうまくいかず皆さんに迷惑をかけて申し訳ありません。木曜日中に「ANCORの会」当日スケジュールを再送するのでよろしく。うまく届かなかった方には、10日の練習時にコピーをお渡しします。
*「ANCORの会」 集合時刻:10時45分までに「楽屋5」(11時からリハ室での練習・11時30分からステージ練習あり)。ステージ衣装:アルマ白ブレザー・白カッターシャツ・グリーン棒タイ・黒ズボン・黒靴下・黒靴。楽譜:そのままカヴァーなしで。
・本日は、5・6月分団日納入日。本日パート会計が欠席のパートは、来週納入ください。

【3.配付資料等】
 無し

【4.出席者数】
 T1 : 7名、 T2: 14名、 B1 : 9名、 B2: 11名、  合計 41名

【5.5月 14日(水)練習予定】 

 鮎川指揮者より
①本練習は、「わたしの願い2」の「雲雀にかわれ」を中心にやる。
②18時から18時40分には、京大での演奏曲の練習をする。伴奏の廣田先生も来られるので演奏会参加者はぜひ出席してほしい。

 なお10日(土)は13:00から「アンコールの会」出演曲「わがふるき日のうた」の最後の練習をやりますので、皆さん体調に気を付けて臨んでください。